米は世界各地で栽培されている作物であるので、各地で様々な米料理があります。
米を主食にしている地域と野菜としている地域があります。それによって調理の違いもでてきます。

主に炊いて調理(ジャポニカ米)

日本・韓国・中国などで栽培されています。
主食としておかずとともに食べるのに適しています。

主に煮て調理(インディカ米)

世界のお米の生産量の約8割を占めています。
パサパサしていて粘り気が少ないのが特徴で、野菜と同じような感覚で食べられることが多いです。

アジアの代表的な米料理

世界のお米の一大消費地であるアジアには、色々な米料理があります。
煮たり、炊いたりして調理することが多いです。

中国

世界で最も多くお米を生産し、消費する国です。
インディカ米とジャポニカ米を混在して生産していますが、どちらかと言うとインディカ米が主流です。
◆ツーファンガオ・・炊き上げたうるち米をついて油で上げる軽食です。
◆ニエンガオ・・米の粉を練って蒸し上げた饅頭で、お正月に食べます。
◆炒飯・・炊いた米を卵などの具と炒めて調理したものです。
◆中華ちまき・・米とシイタケ、肉などの具を味付けし、竹や笹の皮で巻いて蒸す料理です。
◆中華粥・・米を水から煮て調理した、朝に欠かせないお粥です。白粥にピータンなどの具を入れたり、塩味の揚げパン(油条)をつけて食べます。
◆天津飯・・カニ玉を乗せた料理です。
◆焼きビーフン、汁ビーフン・・米を原料にして作った麺です。

韓国

炊いたり、お粥や雑炊のようにして食べます。日本を含む東アジア独特のお米の食べ方です。
◆クッパ・・スープの中にご飯を入れる、日本の雑炊のような料理です。本場では、スープとご飯が別々に出てきて、自分でキムチやタレを入れて好みの辛さにして食べます。
◆ビビンバ・・炊いた白飯の上に、ナムル、肉、生卵を乗せて混ぜながら食べる料理です。
◆石焼きビビンバ・・焼いた石の器に盛って出されます。

朝鮮半島

◆ヤッパ・・もち米を蒸したものに、ナッツ、クリ、ごま油など入れもう一度蒸し、松の実をふりかけて食べます。結婚式などに作られます。

ベトナム

◆フォー・・お米の麺料理で、牛骨や鶏ガラのスープにヌックマムや塩で味付けしたものです。ライムをしぼって食べます。

マレーシア・シンガポール

◆ラクサ・・中国のお米の麺とマレー料理のダシを使った料理です。中華料理とマレー料理が合体したニョニャ料理の代表的なメニューです。

インド

インドは世界第二位のお米の生産国ですが、インド全域で主食とされているわけではなく、南の方でよく食べられています。
◆プラオ・・ピラフに近い調理法で、米を炒めてから炊きます。
◆サフランライス・・米を水牛のバターで炒め、サフランを加えて炊いた黄色いごはんです。カレーに添えて食べます。

ミャンマー(1948年から)

◆カフマニンドウ・・もち米に、あずき、バナナを加え、バナナの葉に包んで茹でた餅菓子です。

インドネシア

◆竹筒飯・・竹筒のなかにバナナの葉を巻き込み、その中にもち米、うるち米を入れ、ココナッツミルクを入れて焼く料理です。
◆ナシゴレン・・ご飯を炒めて調味料で味付けし、上に目玉焼きやえびせんべいを乗せた料理です。ナシはご飯、ゴレンは炒めるの意味です。

タイ

◆クイティアオ・・タイ風の平打ちライスヌードル料理です。
◆カオ・パット・サパロット・・パイナップル入のタイ風焼き飯です。
◆グリーンカレー・・正確にはカレーではなく、ゲーンと呼ばれる汁物の一種です。ご飯を添えて食べます。
◆カーオ・トム・・煮込んで作るお粥で、辛くないのが特徴です。

フィリピン

スペインやポルトガルの植民地だった時代の影響で、パエリアに似た食べ方もあります。
◆パンシット・ログログ・・米粉の麺に、木の実で色付けしたソースをかけ、エビ、豚、ゆで卵などを乗せます。パンシットは麺類の軽食を意味します。
◆プト・・米を原料にした蒸しパンです。

中東の代表的な米料理

トルコ

◆プラウ・・ピラフの語源となった料理で、米やその他の雑穀をバターで炒めてから炊いたものです。
◆ゼルダ・・お祝い用のオレンジ入りご飯です。オレンジの実や汁、牛乳を加えてオーブンで熱します。

ヨーロッパの代表的な米料理

主食は小麦を原料とするパンやパスタが主流なので、お米は野菜のひとつとして扱われることが多いです。
お米をスープに入れたり、サラダやお菓子にしたりして食べます。

イタリア

パスタの国なので、お米は主食ではありません。インディカ米やジャポニカ米といった粘り気の少ないお米で調理します。
◆リゾット・・米をバターで炒めた後、スープ(ブイヨン)を少しずつ加え、魚介類などと炊きます。お粥とも雑炊とも違うイタリア独特の米料理です。

ルーマニア・クロアチア

◆サルマカーレ・・米とひき肉とみじん切りの野菜などをキャベツや葡萄の葉で包んで煮たものです。国によってサルマーレ、サルマ、ドルマと呼ばれます。オスマン・トルコの影響で作られるようになった米料理です。

スペイン

◆パエリア・・平たい両手鍋で米、野菜、肉、魚介類などを炒めて味付けをして炊き込みます。サフランで色付けと香り付けをするスペイン独特の米料理です。
もともとスペインのバレンシア地方の郷土料理でしたが、今はスペインの代表的な料理になりました。

アルプス以北のヨーロッパ

肉料理にバターライスを添えたり、スープの具にしたり、プディングなどのお菓子に使ったりします。米をサラダとして食す事が多いです。
◆ライスプディング・・卵と牛乳と砂糖を混ぜた中に、ご飯を加えてオーブンで熱するお菓子です。

アメリカの代表的な米料理

主食は小麦を原料としたパンですが、ヨーロッパからの移民が多いことから、スペイン・フランス・ドイツの影響を受けたアメリカらしい米料理があります。

アメリカ

◆ジャンバラヤ・・ベースはスペイン料理のパエリアですが、ソーセージやハムを入れてアメリカらしい米料理に変化しました。ニューオリンズの名物料理です。

ハワイ

◆ロコモコ・・白いご飯の上にハンバーグ、レタスなどを乗せソースを掛け、さらに目玉焼きを乗せた料理です。ハワイでの米料理で、日本の丼物が元になっている説があります。

中南米の代表的な米料理

エクアドル

◆セコ・デ・ポロ・・米と鶏肉とアボカドのスライスを一緒に煮込んだ料理です。

アフリカの代表的な米料理

ガーナ

◆ジョロフ・ライス・・トマトシチューの炊き込みご飯です。肉を乗せたアフリカ風ピラフです。

タンザニア

◆ピラウ・・肉、玉ねぎ、じゃがいもをぶつ切りにして炒め、お米を入れて炊く東アフリカ風の炊き込みご飯です。
ピラフの語源とも言われています。

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